圧入Q&A

第16回 圧入Q&A 解答

第16回 圧入Q&A(初級編) / 地盤工学会誌 2013年2月号掲載

Q.
以前、地盤改良した地盤に杭を圧入したいのですが、可能ですか?


A.
一般的なセメント系改良土であれば、硬質地盤クリア工法で施工できます。

地盤改良には多種多様な工法がありますが、一般的には、セメント・石灰系固化材および各種グラウト材を利用する固結工法が多く用いられています。
固結工法による改良体の強度は、原地盤の土質条件や固化材の種類・添加量・施工方法によっても異なりますが、砂質土で粉体系のセメント系固化材を用いた場合が最も高く、一軸圧縮強度で0.5~1.5N/mm2(500~1500kN/m2)程度となります。

硬質地盤クリア工法では、一軸圧縮強度で170N/mm2の硬質片岩層に鋼矢板を圧入施工した実績もあり、一般的なセメント系改良土であれば施工が行えます。
ただし、改良体に木製や鋼製の芯材を用いる地盤改良工法もあり、芯材の種類や大きさによっては施工が行えない場合もあります。
硬質地盤クリア工法による岩盤や地中障害物への施工事例を掲載していますのでご覧ください。

【岩盤や地中障害物への施工事例】 【硬質地盤クリア工法とは】




【岩盤や地中障害物への施工事例】

■岩盤/硬質片岩

橋梁新設のための仮締切工事で、硬質片岩(一軸圧縮強度170N/mm2)へ鋼矢板を圧入施工した事例です。

硬質片岩への施工事例(島根県、圧入施工) 硬質片岩への施工事例(島根県、硬質片岩) 硬質片岩への施工事例(島根県、土質柱状図)

■地中障害物/ヒューム菅

雨水菅敷設替えのための土留工事で、鉄筋コンクリート製のヒューム管(φ1800 t=160mm)を打ち抜いて鋼矢板を圧入施工した事例です。

ヒューム管への施工事例(神奈川県、圧入施工) ヒューム管への施工事例(神奈川県、断面図) ヒューム管への施工事例(神奈川県、土質柱状図)





【硬質地盤クリア工法とは】

硬質地盤クリア工法

・玉石層や転石・岩盤層などの硬質地盤に鋼矢板や各種杭材を圧入する工法です。圧入と一体制御のオーガ装置で杭先端の直下地盤を最小限掘削し、貫入抵抗力を低減させながら杭を圧入します。

 工法カタログ「硬質地盤クリア工法」
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