防災技術

防災・災害対策事例 港湾(海岸)

海岸堤防の強化高知県高知市

国土交通省と高知県は南海トラフ地震対対策として、平成24年度から高知海岸堤防改良工事(総延長約18km)に着手しています。当工区は戸原工区と長浜工区(延長6.5km)の堤防改良工事において、鋼管杭(φ1000 L=12.5~17.5m)連続壁を圧入工法で施工した例です。


■課題と解決策(適用技術)
現場は交通量の多い県道に面し、施工ヤードも砂浜の一部に限られる条件でした。堤体内には旧堤防のコンクリート構造物や捨石等の障害物があり、環境に優しく安全で確実に施工できる「ジャイロプレス工法」が採用されました。また、作業ヤードがとれない区間は仮設桟橋が不要な「ノンステージング工法」が採用されました。



防潮堤の復旧岩手県大船渡市

防潮堤の復旧 1 防潮堤の復旧 2

2011年3月の東日本大震災で甚大な被害を受けた、岩手県大船渡港の防潮堤の復旧工事です。地震後に襲ってくる津波に粘り強く耐え抜く大口径の鋼管杭(φ1400 L=20.0m)連続壁を、圧入工法で施工した例です。

■課題と解決策(適用技術)
硬質な粘板岩層にを施工するもので、先端ビット付き鋼管杭の回転切削圧入の「ジャイロプレス工法」が採用されました。工事場所は建物に隣接しているため施工ヤードが確保できない条件でした。また、水深は浅いため、大きなクレーン付き台船等を設置できないことから、仮設桟橋が不要なノンステージング工法が採用されました。



防潮堤の構築岩手県

防潮堤の構築 1 防潮堤の構築 2 防潮堤の構築 3

東日本大震災で被害を受けた岩手沿岸部の防潮堤構築工事です。津波に粘り強く耐え抜く、圧入工法による防潮堤築造工事の施工例です。

■課題と解決策(適用技術)
施工ヤードは建物と護岸との間に限られ、大型の重機は設置できない条件でした。また建物が近接しているので振動や騒音は許されなく、N値214の硬質な粘板岩層に圧入できる「ジャイロプレス工法とノンステージング工法」が採用され、予定通り完成しました。



文化遺産基礎の洗掘防止メキシコ ベラクルス

文化遺産基礎の洗掘防止 1 文化遺産基礎の洗掘防止 2 文化遺産基礎の洗掘防止 3

メキシコ、ベラクルスにある文化遺産(サン・ファン・デ・ウルア要塞)の洗掘防止工事における圧入工法の施工例です。波浪による要塞基盤土砂の洗掘を防ぐための鋼矢板壁を圧入施工しました。

■課題と解決策(適用技術)
基礎土砂の流出による要塞の崩壊を防ぐため、油圧による静荷重を用いて杭を地中に押し込むことで、振動を発生させない圧入工法が採用されました。



海岸侵食対策で護岸構築アメリカ パームビーチ

海岸侵食対策で護岸構築 1 海岸侵食対策で護岸構築 2

フロリダ州パームビーチにおける海岸護岸の構築工事での圧入工法の施工例です。海岸線に隣接する住宅を波の侵食から保護する為に鋼矢板護岸が構築されました。

■課題と解決策(適用技術)
住宅に近接する施工環境に加え、ウミガメの産卵地であることも考慮され、静寂性に優れる圧入工法が採用されました。圧入機の作動油やグリースには、生態系に優しい生分解性油脂(自然界のバクテリアによって分解される油脂)が使用されています。



堤防の遮水対策新潟県 新潟市

堤防の遮水対策 1 堤防の遮水対策 2 堤防の遮水対策 3

2002年の大雨による出水で阿賀野川では河川氾濫や河川工作物の被害が多発しました。老朽化し被害を受けた既設堤防の安全性を強化するために、堤防前面に鋼矢板による遮水壁を圧入施工した事例です。

■課題と解決策(適用技術)
工事場所は河口部に位置する漁港で、近接する民家への騒音・振動対策や漁船の航路確保が求められるなか、工事領域を機械幅分に抑えられる「GRBシステム」が採用されました。また、鋼矢板遮水壁は既設の粗朶沈床を残し破砕しながら打設する必要があり、圧入機と一体制御のオーガ装置によって杭先端の直下地盤を掘削しながら圧入施工を行う「硬質地盤クリア工法」で施工しました。